公開日: 2024/04/08
更新日: 2024/04/11
時代によって色々と変化する、『三種の神器』と呼ばれる売れ筋商品。バイクの世界も同様で、現在は以前とは全く傾向の異なる製品が主流となっている。そしていま、その三種の神器に変化が生じている。新しく仲間入りしそうなのが、スマホと連動したり、ドライブレコーダー機能を持っていたりする『スマートモニター』だ。
三種の神器。昭和の家電なら、冷蔵庫・洗濯機・カラーテレビがそう呼ばれていた。平成だと、スマホ・薄型テレビ・ロボット掃除機がそれにあたる。言ってみれば、その時代時代を象徴するモノが『三種の神器』として挙げられているのだ。これは、家電の分野に限ったことではなく、バイクの世界にもある。販売店の話を聞いたときのことだ。
「昔は、バイクの『三種の神器』と言えば、マフラー・ハンドル・バックステップでした」
それが、今やまるで違うモノになっているという。
「USBポート、スマホホルダー、リアキャリア。これがいまどきの三種の神器ですね」
これはアンケートを取って調べた結果ということではないので、店に来るユーザーの傾向や店が扱っているバイクによって多少の違いはあるだろうが、以前は性能面やライディングポジションなど、『走る』ことに主体をおいたパーツが主流。それが今では、使い勝手や積載関連などバイクをツールとして捉えて『ツールとしての便利さ』に目が向いている、というのだ。
X(旧ツイッター)をはじめとしたSNSを見ていても、それを感じることができる。投稿されている写真を見ると、ほとんどのバイクにスマホホルダーが装着されているし、キャンプツーリングなどを楽しむユーザーの愛車として見かけることが多々あるホンダ『CT125ハンターカブ』などは、「必須?」と思えるほどの割合でリアキャリアがついている。
走ることが主体のパーツをつけているバイクユーザーがいなくなったということでは決してない。マフラー交換はカスタムの定番であり、街中でもよく見かける。それは前述したハンターカブなどのバイクでも同じ。逆に、カワサキ『Ninja』系のフルカウルモデルにもスマホホルダーは当たり前のように付いていたりもする。
これはさきほどとは違う店での話なのだが、いまどきの三種の神器の中で近頃変化が起きているという。
「ウチでは、スマホホルダーの代わりに、スマートモニターの装着が増えています」
今では対策品も出てきているが、一時期、スマホホルダーはバイクの振動などによりトラブルが起きる可能性が話題になっており、この店ではトラブル回避のためにスマホホルダーの取り付けを行っていないのだという。取り付けに加工が必要な場合、その加工までは行うが、取り付け自体はユーザーに行ってもらっている。そのこともあり、『スマートモニター(スマートディスプレイと呼ばれることもある)』の装着が増えているのだが、各パーツメーカーの新製品情報を見ると、スマートモニターが増えているのも事実だ。
もちろん、スマホホルダーとスマートモニターでは価格が全然違う。スマホホルダーが数千円で買えるのに対し、スマートモニターの実勢価格は安いもので2万円台。高性能・高機能なものになると、8万円を超えるモノもある。
ただ、これもまた最近装着しているバイクが増えているドライブレコーダー機能を持つものもあるので、スマホを固定する役目だけのスマホホルダーと単純な価格の比較をしても意味はない。
ユーザーが何を求めているか。単にスマホのナビをバイクで利用したいというだけならスマホホルダーで十分。しかし、トラブルを避けたい、かつスマホの機能やドライブレコーダーも使いたいとなると、スマートモニターが向いている。
スマートモニターは新製品が続々と登場してきており、価格帯も様々だが、普及が加速すれば、価格も下がっていくだろう。令和時代におけるバイクの『三種の神器』となる可能性も高い。それだけに、ユーザーに提案する要注目のカスタムパーツとして、情報はこまめにチェックしておいたほうが良さそうだ。また最近では、クラウドファンディングサイトでプロジェクトを公開することも少なくないので、そのチェックも忘れずにしておきたい。
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